気密測定!! (2020年06月06日)

気密測定 完成時

 

 

 

 

 

 

 

家創りを考え始めて

ネットや雑誌を買って少し情報収集しだすと

必ずと言っていいほど

住宅の性能の項目で

「断熱・気密」

という言葉にぶち当たるハズです

この断熱と気密

対になってるもので

どちらかが良くてどちらかがダメだと

お互いに性能を活かしきれません

服で例えると冬の場合

断熱はダウンジャケット

気密はウインドブレーカー

みたいなもので

ダウンを着ていればもちろん暖かいのですが

袖口や襟元が広く開いてたりすると

そこから風が入ってきてスースーしますよね?

そこで

ダウンの上にウインドブレーカーを羽織ると

ペラッペラの割に風を通さなくなるし

中の暖まった熱気も逃がさないので

より暖かく快適になりますよね?

これが「断熱と気密」です!!

気密は他にも

冷暖房の空調の効き具合

にも影響するし

住宅の結露問題にも絡んでくるのですが

そこまでいくと非常に難しい話しになるので

今回は割愛します

 

今日は「気密」のお話し!!

元々は確か

H11年の次世代省エネ基準というもので決まったもので…

…あっ!!

ここで余談ですが

「次世代省エネ基準」とは国が定めたものではありますが

といっても

必ずやらなければならない「法律」や「義務」ではなく

あくまで「努力目標」の基準なので

全ての建設会社がやっている訳ではありません

残念ながら…あしからず…

また

「次世代省エネ基準」というと

なんか「凄そう!!」ですが

全く大したことない基準です…

 

さて

話を戻すと

次世代省エネの時に関東だと

1㎡の中で?㎠のすき間があるの?

という基準が

名称としては「C値(しーち)」と言い

基準の数値は

「5㎠/㎡以下」

と決まりました

まぁ

まずは「5より小さければ良いんだな!!」

と覚えて下さい

この基準がしばらく適用されてきたのですが

何だか分かりませんが

H25に省エネ基準が改正されたときに

この気密の基準が無くなってしまいました…

重要なのに…

 

ですが

住宅の快適な性能を追求している会社では

いまだに重要な基準の一つであります

 

実際にその気密はどうやって測るのか?

ですが

これは計算式とかで出すものではなく

実際の現場(家)で

機械を使って測定します

ちなみに当社では

状況にもよりますが

構造時と完成時の2回測定してます

測定の様子はこんな感じです

 

気密測定 完成時

 

 

 

 

 

 

窓に筒状のものが付いてますが

この機械の部分と

人がしゃがんで操作している箱がありますが

この測定器の部分の

大きく2つの構成となってます

 

室内に機械を設置し

この筒状のものの中には

扇風機のようなファンが付いていて

家全体を閉め切った状態でこのファンを回し

室内の空気を外に吐き出します

(専門的にいうと負圧の状態)

例えば…

空のペットボトルを口にくわえ

空気を吸うとベコッと凹みますよね?

これと同じ事をしている訳ですが

家はペットボトルの様に凹みはしません

つまり

どこかに「すき間」がある訳です!!

それをこの機械で測定します!!

 

ちなみに…

気密測定の方法は2つあり

上記に説明したのを

「減圧法」と言い

一般的に

9割9分このやり方でやっていると思います

この反対が「加圧法」と言い

こちらは機械を室外に設置し

減圧法とは逆に家の中にどんどん空気を送り込みます

(専門的にいうと正圧の状態)

閉め切ったところで空気を送り込むので

パンパンになり

ペットボトルなら破裂しそうになるのですが

こちらもそうはなりません

という事はどこかにすき間があるわけです

 

減圧法と加圧法の違いですが

加圧法の方が減圧法より数値が悪くなります

それは

日本の住宅の玄関や窓は外に開くものが多く

減圧法だと窓がピチッと閉まる方向に動くので

気密の数値が良くなる傾向になるのですが

加圧法だと室内の空気を外へむかって押し出し

玄関や窓を開く方向に動くので

すき間が生じやすく

数値が悪くなるという理屈です!

(分かりましたか?)

まぁ

どっちが良いとか悪いとかではなく

どちらかの方法でやり続け

漏気(空気が漏れるところ)を

知る事が重要だと思います!!

 

さて

「世界基準の断熱性能の家」でも

気密測定は2回やりました

構造時はこんな感じ

気密測定 構造時

 

 

 

 

 

 

 

お客様も興味があったので

測定に立ち会われました

測定屋さんがお客様に説明している様子です

まだ中が仕上がってませんよね?

結果としては構造時で

「0.2㎠/㎡」

となりました!!

 

…あれっ

前に「5以下にしなさいよ」

と書きましたが

「0.2じゃ低すぎね?」

と思いませんか?

これ

結局元々の基準が大した事ない訳です

一般的に「高気密」をうたうのであれば

1.0以下じゃないと

ダメだと言われています

気密に関していえば

マンションのようなコンクリート造が有利で

木造の方が不利と言われていますが

まぁ

木造住宅で0.2だと

胸を張って「高気密」と言えると思います!!

我ながら素晴らしい数値です!!

構造時で数値が良かったので

このままでも良かったのですが

幾つか漏気(空気が漏れていたところ)

していた所がありましたので

ここで潰しておきました!!

 

そして…作業は進行し

完成時の気密測定!!

気密測定 完成時

 

 

 

 

 

 

外側から見るとこんな感じ

 

気密測定 完成時 外

 

 

 

 

 

 

良く見ると

丸い穴の中に扇風機のようなものが見えますよね?

それでは完成時の数値は…

 

ドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロ…

 

 

 

 

 

 

 

ジャン!!

 

0.14㎠/㎡

 

いや~

構造時よりも更に良くなり

宮崎建設史上一番良い数値が出ました!!

いや~

苦労した甲斐がありました(泣)

お客様のリクエストもあり

良い数値も出たし

気密屋さんも乗り気だったので

今回は加圧法でもやってみました!!

私も初めての経験で

気密屋さんも

何年も前に1回やっただけ

という事だったので

みんな興味津々で臨みました

機械を室内から室外にセットし直すだけなので

そんなに手間も無く

20分ほどで再度測定開始

加圧法の方が不利になるハズですが

さて

どれくらいの差が出るのか?

結果としては0.21という結果になりました

0.21という数値自体は立派なものですが

やはり

減圧法と比較し

かなり数値が落ちましたね🙄

百聞は一見に如かず

私も勉強になりました!!

 

当社の今までの経験上

注文住宅では0.5前後

規格住宅のワンズキューボでは

まだまだ改善の余地はあるのですが

結果としては0.6~1.0の間で納まってます

 

最後にこの「気密」というもの

これは「設計どうのこうの」より

・実際の施工(工事)

・経験や実績・件数

が重要な要素で

トライアンドエラーでどんどん数値が良くなっていきます

逆に言うと

意識してない会社では

数値が上がる訳がないのです!!

まぁ

最近は気密を良くするための良い資材も出てきたので

比較的簡単にはなってきましたが

やはり経験が重要!!

私の考えではこれ以上の数値にする事も充分可能なのですが

費用も掛かる部分もあるし

家創りはトータルバランスが大事なので

断熱・気密だけ突出しても

「快適な良い家になるか?」

とは別の話しなので

手を抜く訳ではないですが

現状では

この程度の数値で充分かな?

とは思っております

 

余談にはなりますが

このお宅では

「ペレットストーブ」

を取付したのですが気密が良すぎて

燃焼不良を起こす

なんて現象も起こりました

まぁ

やっぱり要はバランスです!!

 

いや~

今回も長くなりました…

また次回も宜しくお願いします!!

 

最後までお読み頂きありがとうございます!!

最後に告知です

2020年6月20日(土)

~はじめてでも失敗しない~
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まだ空きがあります!!

お早めに上記リンクよりご応募下さい!!

 

 

*PCの調子が悪く

動作がひどく悪かったので

このブログ書くのに2時間以上掛かってしまいました…

 

 

 

 

 

シュッ〆