健康と快適さと その2
(2021年03月27日)春めいてきましたね!!
さて
今日は前回の
「健康と快適さと…」の続きです!
再編集してお送り致します👍
********************
さて、先月の続きです
「床の温度が18℃だと冷たいと感じる人がいる問題」(略して「床18℃問題」)ですが、
どうしたら温度を上げる事が出来るのか?
温度を上げるためには何かしらの熱源(エネルギー)が必要なのですが、
暖房などの設備機器を使わないという「縛り」を決めて考えると方法は一つ
「①太陽熱を効率的に捕まえて、②尚且つ熱を逃げにくくする」という2段構えとなるのですが、
①に関してはこれはパッシブデザインの肝になるところで、
窓の性能と付ける位置、大きさによって決まってくるもので、
お客様のご要望によるプランニング(間取り)との妥協点を突き詰めて決定します。
既にある材料を工夫しているだけなので、コスト的なアップはほとんどありません。
逆に温度を上げたいのならば、窓の性能をわざと下げる事で、より太陽熱を取り込む事が出来るのですが、
これは諸刃の剣、昼間は温度をより上昇させる事が出来るのですが、
日が陰るととたんに窓は「暖房装置」から「冷房装置」に切り替わり、
外の冷気がどんどん侵入してしまい、結果として不快な時間帯が増えてしまうので、このやり方は選択できません。
では②はどうか?
これは断熱・気密性能を向上させるという事なのですが、
まず気密性能について当社は(単純に数値が下がれば良くなる)、
「1.0」を切れば高気密住宅の仲間入りと言われている中で、
直近でお引渡しした建物で「0.26」と素晴らしい数値、(過去最高は「0.14」)
もちろんこの数値をより上げていく事は可能なのですが、
説明は割愛しますが、これ以上気密性能が良くしても
(私の考えとしては)デメリット要素が徐々に目立ってしまうと思うし、
体感的にも温度的にも、換気効率としても大きな上昇は見込めないので、
これに関しては現状維持でもOKと考えています。
残るは断熱性能なんですが(まずいな…相当マニアックな話しでついて来れない人がいるかも…)、
木造住宅の断熱工法には「充填断熱」と「外張断熱」という2つの方法があり、
当社は充填断熱工法を採用しています。
充填というくらいなので、どこかに断熱材を詰め込むのですが、
壁の場合、柱の厚み(太さ)の分だけ充填します。
当社の場合注文住宅で4寸柱(12cm)ですので、そこにパンパンに断熱材を詰め込みます。
断熱性能を上げるために厚さを確保するには、柱の太さも変える必要性が出てくるのですが、
柱の太さの規格は通常4寸まで。それ以上という事になると特注サイズになり一気に価格が上がります。
そして、柱の太さは構造の基準になるので、柱の太さを変えるとそれに伴い、
梁や土台、基礎の構造も大きくなります。
そして、サイズを上げるとしても、ひと回り程度の15cm位までが常識的な範囲。
それでも、30坪位の建物でおそらく100万円程度のコストアップ、坪単価にして3万円以上上がってしまいます…。
その他の方法はないのか?
充填断熱と外張断熱を組み合わせたような「付加断熱」という方法もあります。
充填断熱を基準とし、柱の内側か外側(もしくは両方)に断熱材を「付加」します。
先程の柱を太くするやり方では、3cmアップ程度しか出来ませんでしたが、
こちらのやり方だと、やろうと思えば10cm・20cmアップでも理屈上出来ない事はないのですが、
莫大なコストアップになります…。
例えば、ザックリ30坪位の家で外側に5cm断熱材を追加すると、200万円以上のコストアップになりそうですが、
なんと5cm程度だとシミュレーション上室温を2℃上げるのは正直ギリギリのライン。
確実に上回るとは言えない数値なのですよ。。。。。
まぁ、そもそもなのですが、
当社がお勧めしているセルロースファイバー等の自然系断熱材は価格だけ見れば高いので、
もっと価格の安いガラス繊維のグラスウールを使えばそこまでコストアップにはなりませんが、
そこは自然素材にこだわる会社の根幹に関わる事なので、
すぐさま「はいそうですね」という訳にも行きません…(泣)。
*設計・施工者のエゴという事ではなく、お客様もそこに魅力を感じてらっしゃるので…。
まとめると、「床18℃問題」を解決するためには、
①コストアップ覚悟で断熱材の厚みを確保するか?
②コストアップが嫌なら会社の信念を曲げて安い断熱材を使うか?(それでも今までよりはコストアップです)
の2択となりました…。
予算が潤沢にある方なら良いのですが、そういう方ばかりではありません。なんとかならないものか…。。。。
今後の事を考えれば、断熱材の厚さの確保の事はしぶとく検討していかないといけないとは思いますが、
現状ではまだ厳しい。
極力コストを掛けずに「床18℃問題」を解決するには…。
「極力機械設備に頼らない」を標榜している会社ですが、
少し設備に頼ってみる事を検討するか…。
つづく
シュッ〆
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